「民泊はもうオワコンなのか」。この問いに対する当社の答えを最初にお伝えします。「半分は本当」です。観光庁の一次データでは、住宅宿泊事業(民泊新法)の届出63,658件のうち、約36%にあたる22,913件がすでに廃止されています(2026年5月時点、民泊制度ポータルより)。3軒に1軒以上が消えた計算であり、「民泊はオワコン」「民泊はやめとけ」と言われるのには、それだけの根拠があります。一方で、同じ市場の中で当社の直営民泊は、賃貸に出せば家賃4万円の地方物件で実質利回り27%を出し続け、長崎の一棟貸しは1年先まで予約が埋まっています。つまり本当の論点は「民泊はオワコンか」ではなく、「オワコンなのはどんな民泊か」です。本記事では、廃業36%という数字の中身を一次データで読み解き、淘汰される民泊の3類型と、これから参入して勝つための絶対条件を、当社直営の実数とあわせて解説します。1. 「廃業36%」の正体|中身は撤退ではなく「制度の乗り換え」が主役まず、オワコン論の最大の根拠である「廃業率」を一次データで確認します。観光庁の民泊制度ポータルによる2026年5月時点の数字は次の通りです。届出住宅の累計: 63,658件事業廃止: 22,913件(累計届出の約36%)現存届出住宅: 40,745件たしかに約36%が廃止です。ただし、この数字をそのまま「3軒に1軒が失敗して撤退した」と読むのは誤りです。廃止件数の約58%は、旅館業や特区民泊への「転用」です。年間180日までしか営業できない民泊新法(届出制)から、365日営業できる旅館業(許可制)などへ制度を乗り換えた事業者が過半を占めます。これは撤退ではなく、事業が軌道に乗ったからこそのステップアップです。転用組を差し引いて見えてくるのは、「市場が死んだ」のではなく「プレーヤーが入れ替わっている」という構図です。片手間の参入者が退場し、本気で取り組む事業者が旅館業へ移行して残る。廃業36%は、オワコンの証拠ではなく、淘汰が正常に機能している証拠だと当社は考えています。2. 淘汰されるのはこの3タイプ|「オワコンな民泊」の共通点では、実際に退場していくのはどんな民泊なのか。当社が開業支援・運営代行の現場で見てきた失敗は、次の3類型に集約されます。類型1:無計画参入型: 市場調査も収支シミュレーションもないまま「ブームだから」と参入するケースです。とくに「どう集客して予約を埋めるか」を詰めきれないまま開業してしまうのが典型で、OTAでの見せ方や価格設計を後回しにした結果、運営コスト(清掃・光熱・OTA手数料)を過小評価し、予約が伸びないとすぐ値下げして利益が消える、という順番で行き詰まります。類型2:許認可不備型: 自治体の許認可手続きや上乗せ条例の把握不足で、行政処分に至るケース。実際に、手続きを怠ったまま開業したオーナーが営業開始直後に行政指導を受け、短期間で営業停止に追い込まれた例があります。類型3:運営放置型: 清掃体制が不安定なまま運営を続け、「部屋が不衛生」というレビューが増えて予約率が急落するケース。民泊は口コミのインパクトが大きく、レビューの放置は静かに、しかし確実に売上を削っていきます。そしてもう一つ、構造的に逆風を受けているのが「都心ワンルーム型」です。2025年から2026年にかけて、東京都内では墨田区が2026年4月から営業者の常駐義務などを強化し、豊島区でも上乗せ条例の改正が進むなど、都市部の住宅密集地では規制強化が続いています。新宿区では2026年1月、複数の施設への一斉業務停止処分も出ました。当社の見解として、取締りや規制強化の矛先は「無届・都心集中・マンション一室」という運営形態に偏る傾向があります。裏を返せば、地方の戸建てで、許可を取り、近隣との関係を築いて運営する民泊にとって、この規制強化はむしろ競合が減る追い風になります。最悪のシナリオを避けるために3類型に共通するのは、勝負が「開業前に決着している」ことです。市場分析・集客設計・許認可調査・清掃体制の4点は、開業後には挽回できません。とくに集客は、開業してから慌てて動いても遅く、どの層にどのチャネルで予約を取らせるかを開業前に設計しておく必要があります。集客を詰めきれないまま「まず開けてしまう」ことこそ、最も多い失敗パターンです。物件契約の前にこの4点を固めることが、営業停止や予約急落という最悪のシナリオへの唯一の予防策です。3. 需要はむしろ拡大している|インバウンドの「暮らし体験」と地方の供給空白淘汰が進む一方で、需要サイドはどうか。ここがオワコン論のもう半分、「本当ではない」部分です。日本政策投資銀行と価値総合研究所の調査では、訪日外国人が民泊を選ぶ理由の1位は「暮らし体験ができるから」で66%にのぼります。ホテルや旅館では提供できない「その土地で暮らすように泊まる体験」こそが民泊の商品価値であり、この需要はワンルームではなく、キッチンや庭のある戸建て・一棟貸しでこそ満たせます。そして供給側には、大きな空白が残っています。たとえば当社が支援する広島県竹原市では、市内の民泊は約10軒しかなく、4ベッドルーム以上の大人数向けはほぼゼロです。3世代旅行やグループ旅行の需要はあるのに、受け皿がない。この構図は多くの地方都市に共通します。長崎市も同じ構図です。市内のリスティングは部屋数ベースで約210件ありますが、3ベッドルーム以上の大人数向けは50件ほどで、全体の約24%にとどまります。そもそも戸建て物件が少なく、大人数需要を取りきれていないのが実態です。地方物件の面白さは「価値の転換」にあります。賃貸市場では「ユニットバスで不便」「駅から遠い」とマイナス査定される物件が、車で移動する訪日客には「バスタブは不要」「自然の中のロケーション」というプラス価値に変わるのです。【当社の実証例】長崎市中心部・約200㎡の一棟貸し平均客室単価(ADR): 7.8万円(市場平均の約6回分)海外ゲスト比率: 47%予約状況: 1年先まで予約が入る状態が継続2026年5月の実績: OTA手数料控除後の純収入約61.8万円、平均宿泊人数6.3名開業からの実績: 開業4ヶ月で累計売上約450万円を達成大人数×連泊×インバウンド。この3つを同時に取り込める大型一棟貸しが高単価の源泉であり、「民泊はもう稼げない」という通説の外側で稼働し続けています。4. 今から勝つための絶対条件5つ|「How」より「Who×What」で決まるここまでの淘汰と需要の構図を踏まえると、これから参入して勝つための条件は明確です。当社が直営と支援案件から導いた絶対条件は次の5つです。条件1:80㎡・3ベッドルーム以上で「大人数」を取る狙うべきは親子3世代・グループ旅行・ペット連れです。80㎡以上で2~3ベッドルームを確保でき、駐車場が近く、眺望や庭で差別化できる物件が勝ちパターンの土台になります。ワンルームで単身客を取り合うのではなく、供給がほぼ空白の大人数市場を取りにいく。物件選定の段階で勝負の半分は決まります。条件2:「誰に何を売るか」の差別化を一つ持つ運営テクニック(How)より先に、Who×What(誰にどんな体験を売るか)を決めることです。当社の北海道物件は、宿泊単価が高く競合が少ない「ファミリー×ペット連れ」に絞り、戦略の核としてドッグランを設置しました。このニッチ特化投資が、賃貸想定家賃4万円の物件を最高月商47万円まで引き上げた要因です。条件3:収支は保守的に組む。損益分岐は「年25泊」売れる前提の皮算用ではなく、地域平均より低めの稼働率30〜40%で収支を組みます。それでも民泊が事業として成立するのは、損益分岐点が低いからです。当社モデルの試算では、損益分岐は年25泊、稼働率にして約7%。この構造を知っていれば、予約が伸び悩んでも値下げ競争に巻き込まれる前に踏みとどまれます。条件4:本気でやるなら「旅館業」で規制耐性を持つ民泊新法は届出制で年180日の営業制限があり、自治体の上乗せ条例の影響も受けやすい制度です。一方、旅館業は許可制で365日営業でき、規制強化局面での耐性が段違いです。2026年6月には改正旅館業法が施行され、小規模物件でも旅館業を選びやすい環境が整いつつあります。事業として本格的に取り組むなら、物件確定前に行政書士と連携して旅館業の許認可可否を調査するのが当社の推奨です。条件5:写真とレビューという「運営品質」に投資するOTAページで予約率を最も左右するのは写真です。撮影は必ずプロに依頼し、妥協しないこと。そして予約直後・5日前・滞在中と先回りでゲスト対応を重ね、高評価レビューを積み上げる。派手さはありませんが、淘汰された「運営放置型」との差は最終的にここで付きます。【当社の実証例】北海道・壮瞥町の直営民泊年間売上: 約323万円営業利益: 約251万円実質利回り: 27%(一般賃貸の利回り3〜5%の5倍以上)物件スペック: 賃貸に出せば家賃4万円の地方戸建て家賃4万円の物件が、戦略次第で年間251万円の利益を生む。これが「民泊は今も勝てる」ことの実数です。5. 結論|オワコンなのは「戦略なき民泊」であって、市場ではない半分は本当: 無計画参入・都心ワンルーム・運営放置型の民泊は、規制強化と淘汰でこれからも消えていきます。半分は誤解: 廃止の約58%は旅館業等への転用であり、インバウンドの「暮らし体験」需要は拡大中。地方の大人数向け供給はほぼ空白のまま残っています。問うべきは「民泊はまだ儲かるか」ではなく、「淘汰される側とどう違う民泊を作るか」です。80㎡3BR以上×大人数、Who×Whatの差別化、保守的収支、旅館業の規制耐性、写真とレビューの運営品質。この5条件を満たす民泊は、オワコン論の外側にいます。6. よくある質問Q1. 「民泊はやめとけ」と言われました。やめるべきでしょうか?A. やめるべきなのは「無計画のまま始める場合」です。 廃業36%の中身は、旅館業等への転用(約58%)と、市場調査・許認可・運営体制のいずれかを欠いた参入で大半が説明できます。逆に言えば、開業前にこの3点を固めた民泊の敗因は多くありません。まず収支シミュレーションと許認可の事前調査から始めてください。Q2. これから始めるなら民泊新法と旅館業のどちらですか?A. 事業として本格的に収益を上げたいなら旅館業(許可制)を推奨します。 民泊新法は年180日の営業制限があり、自治体の上乗せ条例で条件が変わりやすい制度です。旅館業は365日営業でき、規制強化局面での耐性が高いのが利点です。ただし用途地域や建築基準の確認が必要なため、物件確定前の許認可調査が必須です。Q3. 地方の物件でも本当に集客できますか?A. できます。むしろ地方こそ供給空白が残っています。 民泊利用者は車移動が多く、観光地近郊なら郊外でも集客可能です。当社直営でも、賃貸想定家賃4万円の北海道物件が年間売上約323万円、長崎の一棟貸しは海外ゲスト比率47%で1年先まで予約が入っています。鍵は立地そのものより「大人数・差別化・写真」の設計です。Q4. 最低どのくらい稼働すれば赤字になりませんか?A. 当社モデルの試算では、損益分岐は年25泊・稼働率約7%です。 民泊は固定費が比較的軽く、損益分岐点が低い事業構造です。だからこそ、稼働率30〜40%という保守的な計画でも投資判断ができます。予約が伸びないときは安易な値下げに走らず、写真と差別化の見直しから着手してください。民泊開業をお考えの方へ当社(Coco Paku)は、北海道・長崎の直営民泊で得た実データをもとに、物件選定・許認可・収支設計から開業後の運営代行まで一気通貫で伴走しています。「自分の物件・エリアで勝てるのか」を判断する材料は、本記事の実数がそのまま使えます。まずは無料相談で、お手元の物件条件をお聞かせください。▼無料相談はこちらhttps://cocopaku.com/contact